□ 鳥取ジャーナル □ 第385号


鳥取県視障協発行(28.9)


ーー 第62回全国盲女性研修大会(福岡)に参加して ーー

女性部会長  深山千鶴子

 今年の全国盲女性研修大会は、九州盲女性研修大会と合同で、8月21日(日)からの三日間、福岡駅からほど近い'電気ビルみらいホール&カンファレンス’を会議会場に、宿泊・交流会を道を挟んで向かい側にあるホテルニューオオタニでの開催でした。
 本県からは、二日目の午前から深山が参加しました。
 今期の役員改選で役員体勢が随分変わり、長年勤められた新條協議会長や煙山副協議会長、長年努められた榎本常任委員らが入れ替わって、新協議会長には、副協議会長で総務担当であった前田さんが就任し、協議会誌「あかね」を担当されていたベテランの加賀屋さんを別にして、新しいメンバーでの初めての全女大会でした。
 以下に代表者会議の内容を簡単にご報告します。
 今年度の運動方針として、前田新協議会長は日盲連の要望活動の中で、女性目線に立った要望を心がけたい。また、生活の中で気付いたことはまずは主張しよう。関係方面への理解を求めるための要求を、諦めず発言し続けたい。会員の英知を出し合ってバリアを解消すべく頑張ろうと呼びかけられました。また、活動の成果として、入院時の外泊や外出の際に、使い慣れたガイドヘルパーの利用ができるようになったことは、少し風穴が空いたと発言されたことに対して、会場内でも一致の思い、共感の空気が流れました。
 次いで、各ブロックからの提出議題は、同じ内容のものを一つにまとめたことで、結果として下記の八つに絞って話し合われました。
1.食品の賞味期限や消費期限の文字を大きく、分かりやすく。
2.テレビ放送の緊急時の字幕スーパーや通訳の音声化、ボイスチェンジャーの音声を聞き取りやすく改善を。
3.発災時、第1避難所においても、視覚障害者に必要な物品、例えば白杖やベストなどを備蓄して。
4.同居で健常者がいても、居宅介護サービスの代読・代筆サービスが受けられるように。
5.交通機関の特急券の割引やICカードによる割引制度の導入を。
6.トイレの洗浄ボタンなどの位置について、一定の統一規格化を。
7.同行援護事業の支給量を、限ることなく全国一律にニーズにあった支給量に。
8.視覚障害者にも配慮した使いやすいパネル操作の家電製品の開発とともに、視覚障害者がアクセスしやすい音声版やテキストデータでの説明書の提供を。
以上を審議後承認しました。
 午後の研修会第1部では、フリーアナウンサーで大野城まどかぴあ館長兼男女平等推進センター特別アドバイザーの林田スマさんの講演「言葉の花束、私らしく輝いて生きる」を聞きましたが、九州弁で、時には笑いを誘い、感動させてもくれる和やかな雰囲気の講演でした。
 続く研修会第2部は、テーマを「福祉サービスを利用して思うこと」と題するレポート発表と意見交換会で、9ブロックの代表がそれぞれの思いを込めて発表されました。
 最終日は、大会式典と議事報告で三日間の大会の幕を閉じました。
 来年は9月4日からの三日間、群馬県高崎市で開催されます。
 なお、全女の録音を各支部に配布していますので、各部長にお問い合わせ下さい。

ーー 盲導犬使用者が駅ホームから転落死 ーー

 8月15日に東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)で、視覚障害者の男性がホームから転落して亡くなった。盲導犬を伴った視覚障害者の転落事故はこれまであまり聞かれなかっただけに、その影響は大きく報道されるとともに、日盲連や都盲協、盲導犬協会なども原因究明に乗り出すとともに、声明文書も明らかにした。
 また、国土交通省や鉄道事業者もホームドア設置の前倒しや、人的対応などへの取り組みを強めようとしている。
 いつものことながら、事故が起きないと進まない対策に、多くの人がこれを最後にして欲しいと願っているだろう。
 調べて見ると、平成26年にホームから転落してあるいは、ホーム上で列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は、220件で、前年比4.8%減であり、ホーム事故による死者数は35人で、前年比12.9%増であったそうだ。
 本県のような乗降客の少ない駅がほとんどでは、ホームドアなどの設置は難しいが、せめて人的対応の更なる向上を働きかける必要がある。
 くれぐれも皆さん、気を付けましょう。

ーー 新たな情報コミュニケーション支援機器のご紹介 ーー

 県からの補助を受けて、一昨年には歩行支援機器を4種類購入し、各支部に配置して活用しているところですが、今年度には同じく県からの補助で、情報支援機器のブレイルセンスオンハンドミニU2を2台購入しました。
 これは、点字入力用のタイプライター方式のキーの付いたパソコンといえるもので、18マスの点字ピンディスプレイを装備していて、音声も出力されます。
 小型のショルダーバッグのような形状で、気軽に外へ持ち出せます。おもな機能を列記すると、
○墨字と点字文書の作成
○インターネット環境があれば、インターネットの検索やネットサーフィン
○上と同じでメールの送受信
○上と同じでサピエへのアクセスとダウンロード
○デイジー図書の再生
○住所録管理やデータベース作成
○音声録音と再生
○FMラジオ機能
○音楽ファイル再生
○外出時の周辺探索とナビ機能
などなど多機能です。
 多機能な機器のために、全体を把握するのに時間がかかりましたが、ようやく何とかサポートできそうな段階になりました。関心をお持ちの方がおられましたら、紹介や講習も可能ですので、市川(0859−22−6400)か、東部支部の小林久生(0857−26−5200)さんまでご連絡下さい。
 青年部会や女性部会でも、機会を作って触ってみられては?
 また、気付いたのは、点字の入門者にピンディスプレイで読んでもらったところ、紙に書かれた点字よりも読みやすかったことです。このことから、点字の講習にも役立つかも知れないと思います。

ーー 同行援護のヘルパーに新たに3名が登録 ーー

 ホームページのお知らせでも募集をしている同行援護のヘルパーに、先月から今月にかけて、新たに渡邊、山根、田村の3女性の応募があり、登録された。
 依頼が集中してコマ不足になることもあることから、ヘルパーの数はできるだけ多い方が望ましいに違いはないが、反面では、依頼が分散することで、ヘルパーの収入が減少する側面もあり、場合によっては流出することにもなりかねない。適正な数がどれくらいか、難しいところだが、いずれにしても本会では不足気味だったことから、ありがたいことである。
 今後、この3名の方々も皆さんの依頼に答えて出向いていただくことになりますが、その際には宜しくお願いします。
 なお、現時点でのヘルパー数は12名、利用者数は28名です。

<今月のあゆみ>
8月 2日(火)  県土整備局、業者と米子環状線、観光センター周辺など、計3箇所の歩道整備に関し、事務所で協議。
8月 8日(月)  本会のリーフレット作製に関し、事務所で依頼先による会員への取材を午前に、また、午後には県土整備局、業者が来所し、日南道の駅'日野川の里’のトイレの音声ガイドの文言について協議。
8月21日(日)  グランドソフトボール関係者は、大山町の農業者トレーニングセンターで、岡山県との交流練習会。
8月21日(日)  23日までの三日間、福岡市で第62回全国盲女性研修大会。
8月25日(木)  境港の水木しげるロードの改修工事に伴い、誘導ブロックの材質などについて、担当者と事務所で協議。
8月29日(月)  米子市都市計画課職員3名が、米子駅南北自由通路建設工事の説明に来所。

<今後の予定(9月・10月)>
9月 3日(土)  翌4日にかけて、千葉県で全国盲青年研修大会。
9月4日(日)  東京で日盲連の臨時評議員会、翌5日に指導者研修会。
9月10日(土)  翌11日にかけて、岡山市のロイヤルホテルで第65回中国ブロック盲人福祉大会。ドライバー、ヘルパーを含めて32名が参加予定。
9月10日(土)  米子コンベンションセンターで県民総合福祉大会。
9月11日(日)  米子市身障協会は浜坂方面へレクリエーション。
9月15日(木)  鳥取県民体育館で県身障者体育大会。
9月16日(金)  東部支部女性部会は午前と午後に分けて調理講習。
9月18日(日)  三療部会は米子市ふれあいの里で高齢者を対象とした治療奉仕活動。また、中部支部青年部は、三朝町総合スポーツセンターでフライングディスク教室。
9月25日(日)  東部支部は四国金比羅さんへ家族交流会。また、米子市では東山体育館周辺で1000人ウォーク・福祉の集い。
9月29日(木)  中部支部は、松江城へ家族交流会。
10月 9日(日)  西部支部は、島根県亀嵩温泉へ家族交流会。
10月23日(日)  米子市身障センターで本会文化祭。

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