□ 鳥取ジャーナル □ 第386号


鳥取県視障協発行(28.10)


ーー 第65回中国ブロック盲人福祉大会が岡山県で開催 ーー

 65回目を数える日本盲人会連合中国ブロック盲人福祉大会が、9月10日と11日の両日、岡山県岡山市のロイヤルホテルを会場に、関係者ら約350名が参加して開催され、本県からも、ヘルパーや付き添い、ドライバー2名を含む31名が参加した。
 初日には一般部会、女性部会、青年部会、あはき部会、ボーリング体験を含むスポーツ部会の5分科会が開かれ、各県からの提出議題を審議した。その後、全体会議で分科会報告が行われ、質疑応答後に承認した。また、並行して各県2名ずつ出場のオセロ大会が開かれ、日頃の腕前を競った。
 また、不当な差別を受けたとして訴訟中で、日盲連も全面支援している岡山短期大学の山口雪子准教授が飛び入りで登壇され、これまでの支援に対するお礼と、今後の協力依頼を述べられた。
 続く講演会は、日本盲人会連合の竹下会長の「中央状勢報告」を聞き、ホーム転落事故への対応や、あはき法の問題などについて質問も多く出された。
 夜には地元の料理を楽しみながら、地元のもてなしの催しで盛り上がるとともに、あちこちで意見交換・交流の花が咲いた。
 翌11日にはアピールの場である式典が、そして宣言や決議を採択するための議事を行った後、最後に恒例の中国ブロックカラオケ大会が開かれた。応援の声援が交錯する中、各県代表の熱唱に聞き入った。
 本県のカラオケ代表の池口幸輝さんと門木光明さん、それにオセロ大会出場の盛田政雄さんと下田悟さんは、残念ながら入賞をのがした。
なお、次年度大会は9月16日と17日に、広島県福山市で開催の予定である。
 決議された事項は、以下の18項目。
一 総ての地方公共団体において、当事者参画による障害者差別解消推進条例の制定を
一 65歳を過ぎてからのグループホーム入所に際して、要件の緩和を
一 視覚障害者が三療以外でも安定した生活を営んでいけるよう新職業の開拓など、各方面での努力を
一 大型店舗・セルフサービスの店舗での買い物支援サービスの充実を
一 地域生活支援事業での、自宅における代筆代読サービスの速やかな実施を
一 あんま・マッサージ・指圧、はり、きゅう関連の無資格業者養成所の排除を
一 あんま、はり、きゅうの保険点数を現行より引き上げ、病院等で働く視覚障害者が意欲を持てるよう
一 研修会の充実で、資質の向上と組織強化を
一 無資格業者の法的規制を早急に
一 視覚障害者が金融機関を利用する際、複数の行員の立ち会いの下で代筆、代読が可能になるよう
一 入院時にもホームヘルパーの利用ができるように
一 テレビの緊急放送や、ニュース速報の字幕の音声化を
一 押しボタン式信号機の押しボタンの位置が分かるような配慮を
一 食品の賞味期限を見えやすくするとともに、開封方法やバーコード位置など視覚障害者への配慮を
一 エスコートゾーンの敷設を伴う音響信号機の増設と、稼働時間の延長を
一 障害者差別解消法にいう合理的配慮の中に、ヒューマンアシスタント制度を含めることを
一 総てのスマートフォンを、視覚障害者が安心して使うことができるものに
一 点字ブロック上の障害物、歩道上を走行する自転車などが、視覚障害者の安全な歩行を妨げることを理解していただく活動を実施しよう

ーー 敬老の日を前に恒例の治療奉仕を実施 ーー

 本会公益事業の一つの柱であり、地域貢献活動と位置付けている治療奉仕活動を、敬老の日を前にした9月18日の日曜日に、本会三療部会と公益社団法人鳥取県鍼灸マッサージ師会との共催で、本年も米子市保健福祉総合センター'ふれあいの里’を会場に開催した。
 対象は米子市老人クラブの方々で、毎年楽しみにして来られる方もおられ、9時30分の開始時間を少し早めて治療を始めた。
 施術者は20名。事前に申し込みを受けていた13名の方々に鍼と灸を、38名の方々にマッサージを受けていただいた。
 それ程忙しいと言うほどの人数ではないので、ゆっくりと時間をかけて会話も楽しみながら、日頃の疲れの極1部でも解消していただけたのではないかと思う。
 今回、鍼と灸の部屋では、本会がこの度新たに購入した簡易ベッド3台を含む4台を設置して治療にあたった。これまでの座布団を並べて使っていたのと比べて、対象者にしても、施術者にとっても快適に治療に専念できて、しかも見栄えも大変よくなった。
 ご参加のみなさん、ご苦労様でした。

ーー 晴眼あんま・マッサージ・指圧師養成校が厚労省を相手に訴訟を ーー

 これまで、あんま・マッサージ・指圧師、鍼師、きゅう師等に関する法律第19条で、視覚障害あんま・マッサージ・指圧師の生活を圧迫しないよう、晴眼養成学校の新増設は医療審議会の部会で申請を却下してきた。
 ところが、このほど福島県に本部を置く平成医療学園が、養成学校新設の事前審査に続いて本審査も却下されたことに対して、このほど厚労省を相手取って、仙台と東京、それに大阪の3箇所で裁判を起こした。
 視覚障害者の職業環境は、19条が盛り込まれた昭和36年当時より広がっていることや、職業選択の自由などを訴訟根拠としている。第1回裁判が大阪で9月9日に開かれ、60名近くの視覚障害者が訪れたために、全員が入りきれず、次回からは、収容人数の多い法廷で開かれるそうである。
地裁、高裁、最高裁と争いは続くことが想定されるが、もしも国が敗訴するとなると、平成11年に福岡医療専門学校が鍼灸科の増設裁判に勝訴して以来、鍼灸学科が急増した例を見ても明らかなように、晴眼のマッサージ師が急増することは必至である。
視覚障害者もマッサージさえしていれば何とかなるという時代は終わり、生き残りの崖っぷちに立たされることになる。雇用難民の視覚障害者にとって、虎の子のあはきさえ、我々の手から離れてしまいそうであり、このままでは晴眼業者と競争ができるのは、極々一部の人たちでしかなくなる。
今後、非常に注目される裁判の動向で、28日には東京で、29日には仙台でも第1回口頭弁論が開かれた。
 末端の我々にできることは裁判を傍聴に出かけることか、支援募金に協力するくらいのこと。とはいえ、遠くまで出かけることも難しい。
 この先、折に触れて情報を流しますので、その折りにはご協力をお願いします。
 なお、大阪での第2回口頭弁論は、11月9日の午後3時から、地裁の202合法廷で開かれる。

ーー 日盲連が臨時評議員会と指導者研修会を開催 ーー

 9月4日から翌5日にかけて、東京の'ホテルグランドヒル市ヶ谷’を会場に、日盲連の臨時評議員会と指導者研修会が開催された。
 理事・監事の交代や、社会福祉法改正に伴う社会福祉法人の制度改革が主な議題で、評議員総数66名中、59名の出席で開催された。
 冒頭、竹下会長は、盲導犬使用者のホームからの転落事故への対応、熊本・大分地震被災視覚障害者へのその後の対応、あんま・マッサージ・指圧師養成学校からの厚労省を相手取っての訴訟問題に伴う傍聴の重要性について、特に触れた。
主な内容は、
1.理事、監事、参与のそれぞれ1名の退任と後任の承認
2.職員の給与規定、パートタイマーの就業規則の一部改定案の承認
3.法人改革に対する検討について
であったが、制度改革問題では、日盲連も変更を迫られる当事者であるし、加盟団体の2割強が社会福祉法人で直近の重要課題であるだけに、日盲連に対しても、コストと地方切り捨て感との狭間で、今後を危惧する意見が多く出された。
 翌5日には、同所で厚労省の担当課長から社会福祉制度改革の説明と、係長から同行援護が入院中の外出・外泊時にも利用できることになったことの詳細説明を聞いた。

<会員の動静>
 9月15日に本会監事のお一人、中部支部の小谷和弘さんが死去されました。目立たない方だったかも知れませんが、男気のある優しい方でした。ご遺族の意向もあり、弔意を表す機会が持てませんでしたが、改めてこの場を借りて心からご冥福をお祈り申し上げます。

<先月(9月)のあゆみ>
9月 3日(土)  翌4日にかけて、千葉県で全国盲青年研修大会。
9月4日(日)  東京で日盲連の臨時評議員会、翌5日に指導者研修会。
9月10日(土)  翌11日にかけて、岡山市のロイヤルホテルで第65回中国ブロック盲人福祉大会開催。
9月10日(土)  米子コンベンションセンターで県民総合福祉大会。
9月11日(日)  米子市身障協会は浜坂方面へレクリエーション。
9月15日(木)  米子市土木課職員と、旧市役所横加茂川沿いの市道の歩道整備に関し、事務所で協議。
鳥取県民体育館で県身障者体育大会。
9月16日(金)  東部支部女性部会は午前と午後に分けて調理講習。
9月18日(日)  三療部会は米子市ふれあいの里で高齢者を対象とした治療奉仕活動。
 中部支部青年部は、三朝町総合スポーツセンターでフライングディスク教室。
9月25日(日)  東部支部は、支部交流会で四国金比羅さんへ。
 米子市では東山体育館周辺で1000人ウォーク・福祉の集い。
9月29日(木)  中部支部は、支部交流会で松江城他へ。

<今後の予定(10月・11月)>
10月 7日(金)  東部支部女性部会は、午前サザンカ会館で米田雅江先生指導による料理講習。
10月 9日(日)  西部支部は、支部交流会で島根県亀嵩温泉他へ。
10月16日(日)  三療部会は、倉吉体育文化会館で研修会。
10月23日(日)  米子市身障センターで本会文化祭。
11月 5日(土)  県青年部会は、翌6日にかけて、宿泊・交流会が米子、研修先が松江市での中国ブロック青年部交流会。
11月13日(日)  ふれあいの里で、音訳グループ'ザ・スピリッツ’のジョイントコンサート。
      また、中部支部女性部会は、10時から体育文化会館2階研修室でラドン体操。
11月20日(日)  県青年部会は、遠藤歩行訓練士による歩行訓練を倉吉市内で。
11月26日(土)  広島市で翌27日にかけて中国ブロック三療研修会。
11月28日(月)  西部支部女性部会は、身障センター作業室で竹田先生による「生活と音楽」。

元に戻る