□ 鳥取ジャーナル第425号 □


鳥取県視障協発行(R02.01)


ーー 年頭のご挨拶 ーー

視障協会長 市川 正明

 元号が改まったことで、それに伴う様々な変化のあった令和元年も明けて令和2年となって、世の中も少し落ち着いたようで、その名称にも慣れてきた感があります。
 この令和2年には東京オリンピックとパラリンピックがあり、更なる国際化やバリアフリー化が叫ばれて、一段と盛り上がることでしょうが、課題はその後で、その勢いをどこまで持続できるかだと思います。
 日盲連も、これまでややもすれば埋もれがちだった弱視者の課題にこれまで以上に目を向けた活動とするために、名称を日本視覚障害者団体連合、日視連と変更しました。
 これまで、どうしても見えない人の抱える課題が中心で、見えない人に役立つことは、見えにくい人にも役立つ的な考えだったことを、弱視者には弱視者が抱える悩みが表に出る、出していくことになるのだと思います。
 そうはいっても一番困難を抱えているのが全く見えない人であることには変わりはありませんので、その課題解消に努力するとともに、今後、より一層見えない・見えずらさを抱える人の立場に立った活動に、支援センターとの連携をとりながら、心がけていきたいと思っていますので、みなさんの変わらぬご協力を本年も宜しくお願いします。
 終わりに、この一年のみなさんのご多幸をお祈りします。

ーー あん摩師の養成施設 視覚障害者保護のため規制は合憲との東京地裁一審判決 ーー

 県内でも募金や署名活動、はがき陳情などにご協力いただいてきました晴眼あんま師養成学校が国を相手取って東京、大阪、仙台の三つの裁判所に提訴していた裁判のうち、東京での一審判決が出ました。判決では原告の訴えを退ける勝訴の判決でしたが、今後の成り行き次第では控訴して高裁で再び審理ということもあり得ます。引き続きの成り行きに注目いただくとともに、ご支援も引き続きお願いします。
 以下は判決の要旨です。
 視覚障害がある、あん摩マッサージ指圧師を保護する法律の規制によって、視覚障害がないマッサージ師を養成する施設の設置が認められないのは憲法に違反すると学校法人が訴えた東京、大阪、仙台の三つの裁判のうち、12月16日に東京地裁の判決があった。
 東京地方裁判所は規制は憲法に違反しないと判断し、学校法人の訴えを退けた。
 大阪の学校法人「平成医療学園」は、横浜市で運営する専門学校に視覚障害がない人を対象に、あん摩マッサージ指圧師を養成する施設を設置したいと申請しましたが、視覚障害があるマッサージ師を保護する法律の規定を理由に、国に申請が認められず、職業選択の自由を保障した憲法に違反するとして、決定の取り消しを求め、一方被告の国は社会的にも経済的にも弱い立場の視覚障害者の生計維持が難しくなるおそれがあり、規制は必要だと主張していた。
 16日の判決で、東京地方裁判所の古田孝夫裁判長は「法律ができた昭和39年当時と比べても、視覚障害者の就業率は現在も低水準であるうえ視覚障害のある、あん摩マッサージ指圧師などのおよそ76%が年収300万円以下となっている。特別な保護を必要としない程度まで生計が改善されたといえない」と指摘した。
 そのうえで「施設の設置を認めれば、視覚障害者の業務を圧迫することになり、現在でも規制の必要性が認められる」として、規制は憲法に違反しないと判断し、学校法人の訴えを退けた。
 なお、大阪地裁では2月25日に、仙台地裁では4月27日に一審判決が出される。

ーー 第73回全国大会宮城県大会へのお誘い ーー

 令和2年の全国大会は、宮城県仙台市で6月14日からの三日間開催されます。
 本件では、以下のような参加計画を立てました。是非多数ご参加いただけますようご案内申し上げます。


日時  令和2年6月14日(日)〜16日(火)
会場  仙台サンプラザ、プラザホール(〒983-0852 宮城県仙台市宮城野区榴岡5丁目11−1 TEL 022-257-3333)
宿泊  未定
日程:
6月14日(日)
出雲空港 → 仙台空港
午後会議出席、一部は周辺観光<宿泊>
6月15日(月)
会議出席、一部は観光<宿泊>
6月16日(火)
福祉大会 12:00 → 仙台空港 → 伊丹空港 → <バス> → 鳥取、米子
参加費  約70,000円程度(往復の交通費、2泊の宿泊費、観光代を含む。)
※詳細な日程、費用は、参加者が揃った段階で後日連絡します。
締め切り  1月31日金)までに、各支部長または市川(рO859−22−6400)までご連絡下さい。

ーー 第4回理事・役員会を開催 ーー

 寒さもそれほど厳しくなく、まずまずの好天の12月15日に、倉吉の視覚障がい者中部支援センターを会場に、本年度第4回目の理事・役員会を開催しました。
 理事、監事の全員の出席のもと、以下のような議題を審議しました。
(1)第1号議案:近況報告について
 会長より、
@ 11月12日に県行政監察・法人指導課の立入検査があり、その中で、いくつかの指摘を受けたが、その一つとして、定款及び役員報酬規程では役員は無報酬と規定しているにも関わらず、外部監事への日当1万円が支払われているのは高いのではないかとの指摘を受けた。3,000円程度であれば理解できるとのことで、事前に原員外監事から了解を得たので、今日の理事会で役員費用弁償規程などの変更を計りたい。
 A 11月3日に開催した文化祭の際には各支部長には取りまとめをしていただいたこと、とりわけ主管の西部支部長にはお世話になったことへの礼を述べるとともに、今年度は開催できなかった福祉機器展を来年度には開催を検討したい。
B 11月23・24日に中国ブロック三療研修会を米子市皆生で開催し、ブロック各団体から2〜3人程度の参加で、あはきの現状を話し合ったり、次の日は研修を行った。
C ライトハウス点字図書館の事業として、現在高齢視覚障害者の住まいに関する調査が行われているが、その一環として、11月29日から12月1日にかけて、東京・仙台の先進地を3名で視察した。これは、あくまでもライトハウスの跡地の利用に関しての事業で、大きな施設の東京の光の家と、仙台のNPO法人が今年の5月に開いたグル―プホ―ムを視察し、入所者の人たちや職員との懇談も行った。高齢化が進む現状に鑑み、今後検討が進められる。
(2)第2号議案:各種規程の一部改正等について
   事務局長から、11月12日に行われた県行政監察・法人指導課による立入検査における指摘事項の説明と指摘事項への改善状況等の報告を行い、その後、以下のような規程の一部改正の提案と事業計画等の承認の提案を行った。
@ 役員報酬規程の一部改正
 規程の改廃は理事会の決議を経なければならないとするを、総会の議決を経なければならないとに改正する。
A 旅費支給に関する規程の一部改正
 協会の役員、介護者、職員の旅費について、その適用範囲や支給基準等について改正を行った。
B 役員費用弁償規程の一部改正
 旅費については、職員等の旅費規定に基づく金額を支給することができるとし、併せて、日当を1日当たり1万円限度から3,000円支給に変更する。
C 令和元年度資金調達及び設備投資の見込みの承認
 年度末理事会で承認を得ていなかったので改めて本日の理事会で承認をえたい。
 以上の4項目について、全員の拍手で承認された。
(3)第3号議案:入退会者の承認について
   各支部長から次のとおり報告があった。
   ・東部支部 退会者1名 福成房江 7月死亡
   ・中部支部 入会者1名  安藤昭  8月入会
   ・西部支部 退会者1名 谷口恵子  11月退会
 以上の報告について、全員の拍手で承認された。
(4)第4号議案:業務執行理事報告及び各部事業経過報告について
 市川、盛田、門木、仲村の各業務執行理事からそれぞれの11月までの業務の総括的報告の後、女性、厚生、三療、生活訓練、スポーツの各担当部長が、11月までの事業経過について、順調に推移している旨の報告を行った。
(5)第5号議案:今年度今後の事業並びに日程について
 会長から、次回の理事会を2月23日予定から、3月1日に変更したい旨の報告が、また、事務局長から、来年度の定時総会を令和2年5月24日に中国ブロック福祉大会の会場予定の米子コンベンションセンターで開催、第1回理事会を5月9日の土曜日にしたいとの予定を報告した。
(6)第6号議案:次年度要望活動の取りまとめについて
 会長から、来年度の要望活動の取りまとめを各支部・各部で来年の1月一杯までに届けて欲しい、それをまとめたあと、次回理事会で承認を得たいと提案した。
(7)第7号議案:次年度中国ブロック視覚障害者福祉大会鳥取県大会について
 要綱案については前回の理事会で提示しているが、再確認の意味もあって、再度より詳しい案を提案した。概要は以下の通り。
  日時:令和2年9月12日〜13日
  場所:米子コンベンションセンター
  交流会:米子ワシントンホテル
 スポーツ部会では、新しい競技としてフライングディスクを紹介、会場は米子サン・アビリティーズで行い、実施に当たってはフライングディスク協会の協力を得る。
  事務局長が米子でのボランティアの掘り起こしや交流会での出し物などへの意見を期待するとの補足発言を行った。
(8)第8号議案:その他
@ 会長から、点字ブロックの警告ブロック部分の色を目立たせようと、濃いオレンジ色の警告ブロックを試作してもらったが、ロービジョンの人たちからの要望もあるので、この警告ブロックを県視障協として推薦又は推奨することはどうかと考えている旨の提案があった。
 いろいろ意見が出たが、結論として、西部のほうで先行してどこかに敷設して、その評価をもとに、会長がどこかの段階で判断することになった。
A 事務局長から、
・ライトハウスで行っている高齢視覚障がい者の住まいに関するニーズ調査への協力への礼を述べるとともに、県の宮本福祉保健部長もこのことについて問題意識を持っておられ、12月9日に県障がい福祉課と住まいの状況についての意見交換を行った。
・東部支援センターが来年度にさわやか会館に移転することになった。1階の事務所の奥で、移転時期は令和2年の6・7月ごろになる予定である。
 最後に、盛田執行理事から、補装具の申請において、東部支部では白杖の申請に意見書が必要な市町といらない町がある。県下で同じ取り扱い、不要となるよう要望して欲しいと発言があり、県下の状況を見て今後の対応を検討することとした。
 以上のような審議を行い、午後2時に閉会した。

<先月(12月)のあゆみ>
12月 8日(日)  米子サン・アビリティーズで、社会生活訓練担当主催によるフライングディスク教室。
12月15日(日)  視覚障がい者中部支援センターで、本会第3回理事・役員会。

<今後の予定(1月〜3月)>
 2月 2日(日)  松江市で日視連中国ブロック代表者協議会。
 3月 1日(日)  倉吉の視覚障がい者中部支援センターで、本会第5回理事・役員会。
 3月18日(水)  倉吉体育文化会館で、女性部会役員会。
 3月19日(木)  東京日本視覚障害者センターで日視連定時評議員会。
 3月20日(金)  東京日本視覚障害者センターであはき協議会委員会。
 3月22日(日)  午前、ライトハウスで三療部会役員会。

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