□ 鳥取ジャーナル第475号 □


鳥取県視障協発行(R06.3)


ーー 年度末を迎えて −−

 今年も2か月が過ぎて、早3月、春近しの季節を迎えました。
 元旦の能登半島地震の影響がまだ色濃く残っています。
復興という言葉では表せない状況で、元へは戻れない部分も多くあるでしょう。
日本中毎日どこかで震度1か2の地震が起きている地震大国の日本列島、どこにいても被害は免れませんが、日々の生活に追われて何とかなるさで、切迫感を持つまでにはいかないのがほとんどの人でしょう。
 対策もそのようで、要援護者対策も目立っては進みません。機会をとらえて声を上げていきましょう。
 さて、来月からは令和6年度のスタートです。
 県の予算がまだ本決まりにはなってはいませんが、令和6年度には視覚障害者に対する遠隔サポートがスタートする見込みです。
 具体的には、困った時にスマホから電話をして、カメラを通じて視覚情報を人にサポートしてもらう仕組みです。
 例えば、郵便物の差出人を見てもらったり、あるいは内容を読んでもらったり、歩いていてお店の入り口が分からないとか迷ったりとかの時にです。
 現在でも有料でのサポートは存在しますが、そこへ県下の視覚障害者なら無料で利用できるような仕組みが導入される見通しです。
 細かなことは年度が変わってからのことになりますので、現段階では未定ですが、みなさん関心を持ってアンテナを張っておいてください。
 また、このことにしても、鳥取駅舎内から支援センターまで整備されたコード化点字ブロックといい、スマホの利用で視覚障害の不便さが少しでも減らせることから、スマホの利用率が高まることに期待するとともに、コード化点字ブロックもご利用いただいて、感想を是非お寄せ下さい。
その声の大きさが今後の展開に繋がります。
 次に、本会周辺では、3月を迎えて、恒例のまとめの事業が行われたり、様々な予定もされています。
 2月25日には各支部が役員会を開催し、本会が3月3日に理事会を、三療部が17日に役員会、4月21日に総会を、4月に入ると7日に各支部が総会を開催します。
 ご多忙とは思いますが、出会いの機会としても多くの方のご参加をお願いします。

ーー 4月1日から伯耆大山駅及び鳥取大学前駅が無人化となります −−

 4月1日から伯耆大山駅及び鳥取大学前駅が無人化となります。
 両駅とも朝夕は職員が巡回するそうですが、それ以外の時間帯は無人です。
 支援が必要な場合は、サポートダイヤルで事前依頼が必要となってきます。
 介助の申し込みについては、その場での申告となると即時の対応が難しくなるとのことで、「おからだの不自由なお客様のサポートダイヤル」で、事前に連絡して下さいとのことです。
 電話番号は、0570ー00−8989で、受付時間は8時から20時までです。

ーー 太宰府の国立博物館でnavilensを体験 ーー

 2月中場に、博多近くの太宰府隣接の国立博物館を訪ねました。視覚障害者の誘導や案内に、navilensコードが導入されていることから、その見学でした。
 これまでも紹介してきましたが、壁などに貼られた印刷されたコードにスマホのアプリを起動して向けると、設定されている情報がスマホから音声で流れるという仕組みです。
 よくあるQRコードは読み取るのに時間がかかるのに対し、このnavilensコードは素早く反応します。
 国立博物館では、3年ほど前からバリアフリーにと導入したそうで、コードの数が180枚、初期の費用が200万円ほどで、年間の維持費が20万円くらいと規模の割には案外ローコストだと感じました。
誘導だけでなく、展示品の説明にも用いられていて、本県の新たな美術館やその他の展示施設での活用に可能性を感じました。
  視覚障害者が一人で訪ねるかどうかはともかく、視覚障害者の誘導という面で見ると、広い展示スペースの導線を点字ブロックなしでの移動にはnavilensだけでは難しく、点字ブロックとの組み合わせが有効と感じました。
 また、事前予約なしでの突然でもボランティアが常時対応できる柔軟な対応で、人的配置も配慮がされていました。
 スペイン発のこのnavilensですが、バルセロナを中心にアメリカでも活用が進んでいるとのこと、進化も続けていて、今後文字文書のバリアフリーえも活用の幅が広がりそうなこのnavilensコード、今後本県での導入の可能性も大いに期待がかかります。



<先月のあゆみ(2月)>
 2月 4日(日)  岡山市で中国ブロック代表者協議会。
 2月25日(日)  各支部はそれぞれ支部役員会。

<今後の予定(3月〜)>
 3月 3日(日)  倉吉体育文化会館で、本会第5回理事・役員会と、倉吉ホテルセントパレスでの盛田政雄氏の厚生労働大臣表彰受賞祝賀会。
 3月17日(日)  三療部会は午前ライトハウスで年度末役員会。
 4月 7日(日)  各支部はそれぞれ令和6年度支部総会。
 4月21日(日)  三療部会はライトハウスで令和6年度総会。
 5月 5日(日)  倉吉体育文化会館で令和6年度第1回理事会。
 5月26日(日)  倉吉未来中心で令和6年度定時総会。
 6月 2日(日)  翌3日にかけて、熊本県での日視連の全国大会。